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体の一部になってしまった道具たち

  • 執筆者の写真: 中島洋一(株式会社ビートアンドライト代表)
    中島洋一(株式会社ビートアンドライト代表)
  • 2023年12月4日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年2月2日



娘とプールで泳いでいたらAQUASPHEREのスイム・ゴーグル(水中メガネ)が壊れてしまいました。しかも思わぬ箇所、ゴーグル本体とゴムバンドを止める「軸」が取れてしまって。このモデルはお気に入りで、同じものを3つ使い続けてきました。


もう5年近く使っているで、プラスチックが加水分解したんだと思います。それに、そこに輪をかけるように私の顔がデカいので。ゴーグル本体にもゴムバンドにも、相当な負荷がかかっていたのでしょうw これは仕方ありません。


壊れたゴーグルを見ているとさまざまな記憶が甦ります。


「こいつといろんなところを泳いだなぁ」


鎌倉で、荒天のなか開催されたオープン・ウォーター・スイム大会で溺れかけ、「助けてー!」とライフガードの方に手を振った時。高波にもまれながら、遠くの砂浜を、このゴーグルのレンズ越しに眺めていました。たかだか200m沖での出来事なのですが、はるか遠くに見えたあの砂浜。「もう、あそこに戻れないかもな」と思いながら見たあの光景。


別のオープン・ウォーター・スイム大会では――。クロールで泳いで左呼吸をした際、上空を行き交う2羽のカモメをゴーグル越しに見つめ、「あいつらは飛んでいる。俺は泳いでいる」と、なぜだかおかしい気分になりました。


日本赤十字の水上安全法講習会で5分間、立ち泳ぎを続ける猛訓練をした、あの苦しい瞬間もこのゴーグルと一緒でした。


そして沖縄の無人島に行き、さらにその沖に浮かぶ小島まで渡ろうと、島の間を隔てる激流を泳いで渡ったときも(ちなみに関係者の了承のもと島を訪れ、二重、三重のバックアップを用意し、入念な準備をして泳ぎました)。


本当に十分すぎるほど活躍してくれました。ありがとう。こういう愛着が湧いた道具を捨てるときって寂しいですね。


書く仕事をしている自分の場合、筆記具などが壊れて、捨てざるを得なくなったときの寂しさもあります。赤字入れ用のフリクションを、リフィルを替えながら長年使いまくった結果、グリップがフニャフニャになって「お別れ」するときとか。まぁ、消耗品なんですけどね。


このような「自分の体の一部になってしまった道具」を捨てて、新しいものに替えるとき、自分の身体や心の中にある「何か」も一緒に変わる気がします。願わくばそれが「自分が進化する瞬間」であってほしいものです。


という口実のもと、新しいスイム・ゴーグルをお小遣いで購入し、これからも水泳に励みたいと思いますw

 
 
 

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