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- ノートは「浮気」する――発想をほぐす道具の選び方
大手広告代理店に勤めるコピーライターの方と雑談をしていたときのことです。ふとした流れから「普段どんな文房具を使っているか」「こだわりはあるか」という話になりました。すると、その方はいたずらっぽい笑顔を浮かべて、こう言ったのです。 「ノートは浮気するんです」 一瞬ドキッとしましたが、理由を聞いて思わず深くうなずいてしまいました。いつも同じノートを使い続けるのではなく、毎回違うノートを選ぶようにしているのだそうです。なぜなら――。 「使う道具が変わると、自分の発想も変わるから」 発想の変化を促す道具 数えきれないほどの案をひねり出すプロの世界。データの整理やAIの活用はもちろん行いつつも、頭の中にあるかすみのようなアイデアを言葉として形にするときは、今でも紙のノートが欠かせないと言います。 道具の「手触り」が思考を解き放つ たしかに、ノートの大きさや紙質、罫線の有無や表紙のデザインが変わると、ページを開いたときに受ける感覚もガラリと変わります。帳簿や日報のような記録・管理のための作業であれば、常に同じフォーマットを使うほうが効率的です。しかし、そうした定型作業の多くがパソコンに置き換わった現代だからこそ、ノートの役割も「記録すること」から「思考の解放」へと変わってきたのかもしれません。 データを分析したり加工したりするのはパソコンやAIの得意分野ですが、人間の脳内にあるかすみのようなアイデアを形にする場面では、まだまだ手書きの紙に軍配が上がると自分も感じています。 新しい視点を得るために 「最近どうも発想が凝り固まっているな」と感じたときは、あえていつもと違うノートを手に取ってみてはいかがでしょう?そんな小さな変化が、新しい視点を連れてきてくれるのかもしれません。 ノート選びのポイント ノートを選ぶ際のポイントをいくつか挙げてみましょう。 サイズ: 自分の手にフィットするサイズを選びましょう。持ち運びやすさも大切です。 紙質: 書き心地は重要です。自分の好きな筆記具との相性を考えて選ぶと良いでしょう。 デザイン: 見た目も大事です。自分が気に入るデザインのノートを使うことで、モチベーションが上がります。 罫線の有無: 自由に書きたいときは無地、整理したいときは罫線ありのものを選ぶと良いでしょう。 まとめ ノートはただの記録ツールではありません。私たちの思考を解き放つための大切な道具です。新しいノートを使うことで、発想が広がるかもしれません。ぜひ、あなたも自分に合ったノートを見つけてみてください。 ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar
- 言葉は生きている――国会答弁/ウクライナ問題/アレン様
言葉は、時代によって変わることをご存知でしょうか? 分かりやすいのは現代語と古語ですが、長く生きていると現代語の中でも「昔と変わったな」と感じることが出てきます。 例えば「早急」。子どもの頃、漢字テストで読み方が「さっきゅう」だと知り、ショックを受けたことがあります。あてずっぽうで「そうきゅう」と書いたら先生から×をもらった(笑)。 ところが今では、「そうきゅう」と読む人が多いですよね。 調べてみると、明治時代の書物にも「そうきゅう」という読み方が載っていたそうです。ずいぶん昔から、両方の読み方があったと。 これは私の記憶ですが、かつてある総理大臣が国会答弁で「そうきゅうに対処します」と繰り返していたことがありました。 その辺りから「そうきゅう」という読みが、どんどん主流になっていったと感じています。 言葉の変化は加速している ところで新聞社には「用字用語集」というものがあります。 記事を書くとき、「うちの新聞では、この言葉はこのように表記する」といったルールをまとめた国語辞書のような本です。 この用字用語集もときどき改訂されます。言葉の使われ方が変わっていくからです。 ただ、世の中の変化が速すぎて、改訂を待っていられないこともあります。 2022年、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった頃のこと。 従来「キエフ」と表記していたウクライナの首都を、今後は「キーウ」に統一するという貼り紙が、会社の壁に掲示されました。その日から記事の中ではすべて「キーウ」と表記することになった。 これは先ほどの「早急」の読みの変化とは、ちょっと事情が違います。 ウクライナへの連帯を示す意味も込めて、ロシア語由来の呼称からウクライナ語由来の呼称に変えたわけですね。政治や社会の動きによっても言葉は変わるんです。 などということを、なぜ思い出したかというと――。 最近ネットをにぎわせている芸能ニュースで、タレントのアレン様のSNS投稿を目にしたからです。 ファンの間で「アレン様構文」などと呼ばれているそうですが――。 ルールに縛られない感じが素敵です。本人の肉声が届く感じもします。面白いですね。 言葉は変わる。そして、新しい表現が次々と生まれる。ライターとしては"正しい"言葉づかいができることが前提だと思います。しかし――。 ㌔それと同じくらいヮタクシ、言葉が変わりゅく面白さも楽しんでいたいなぁ㌧、マッコト思うわょえ分かるアータ? (←使い方を間違えてたらすみません💦)
- アンドロイドは笑いながら怒る人の夢を見るか?
仕事柄、周囲の人たちの言葉のやり取りとか、コミュニケーションに注目してしまうのですが、先日ちょっと驚くことがありました。 起業仲間が単発の無料セミナーをやるというので、おじゃましたんですね。内容はとても勉強になりました。参加者の大半は、その起業仲間(講師)の知人でした。 ところが、セミナー後の質疑応答で――。 参加者の一人が手を挙げたので、何を質問するのかと思ったら、セミナーの内容とはまったく関係ない、講師に対する不満(個人的な話)を言い始めたんです。 「えっ! 今その話する!?」 話を聞いていると、どうやらその人は最近、講師との間にトラブルがあって不満を抱いていた。それを本人に直接ぶつける機会がなかったので、このセミナーに来ちゃった、ということのようです。 講師もあわてていましたが、5分ほどのやり取りが終わると、ようやく本来の質疑応答に戻りました。 驚きました。ほかの参加者の質問時間も減ってしまったわけで、これはちょっとマナー違反じゃないでしょうか。 コミュニケーションのバグは人間らしさ? でも、「あの人、やるなぁ」とも思いました。少なくともあの人は、言いたいことが言えてスッキリしたでしょう。マナー違反だけど。 帰り道、そんなモヤモヤを抱えながら、「その場にまったくふさわしくない行動や発言を行うケース」について、あれこれ考えていたんですね。 思い浮かんだのが、「心頭滅却すれば火もまた涼し」という言葉。熱いものを熱くないと感じる。よく考えたら凄い話です。 あと、元神戸市議会議員の「号泣会見」。あれは「絶対出たくない記者会見を切り抜ける」、あの人なりのコミュニケーション法だったと思うんです。 で、究極は竹中直人さんの「笑いながら怒る人」だなと。「笑い」ながら「怒る」。しかもそれを「芸」としてやる。このメタ感、凄いですよね。 AIがどんどん人間らしくなったら、どうなるのでしょう。相手の気持ちを察して、共感することは、もうAIにもできるようになってきました。では、人間の予想を裏切って(かつ、よかれと思って)、わざとおかしな反応をすることは? 例えば、ビールを飲みながらAIとバカ話をしたとします。すると突然、AIが「笑いながら怒る人」を演じ始めた! こちらを笑わせようとして。 そしてそんなとき、人間はどう反応するか? 大笑いしてあげた方が、AIは「なるほど、こういう冗談がウケるのか」と学習するのでしょうか。それとも冷たくスルーする? もっと面白い芸を考えてくれるかもしれません。 そもそも、AIに芸を仕込もうとしている人間の方が、AIに遊ばれていたりして? という、どうでもいい空想をしているうちに、セミナー会場でのモヤモヤは消え去ったのでした。めでたしめでたし。
- 「今ココの価値」を放つコンテンツ
「今でしょ!」のセリフで一躍有名になり、マルチタレントとしても活躍する某予備校講師の方に、インタビューしたことがあります。 各界著名人に「好きな本」を紹介してもらうという雑誌の企画でした。 ビジネス書を挙げる人がいたり、写真集を挙げる人がいたり、週刊誌を挙げる方がいたり。人によって選ぶ本がまったく違い、とても面白いインタビューとなりました。 その講師の方が挙げたのは、芥川龍之介の文庫本。 さすが国語(現代文)の講師でおられます。特に、そこに収められている『トロッコ』が傑出した作品だとおっしゃいます。 インタビューの途中で、私はこんな質問をしました。 「では、この本はどんな場面で役立ちましたか?」 すると、講師の方は驚いたような顔をして、私を見つめました。 思わず私も驚いてしまいました(笑)。質問の意図が伝わっていないのだと思い、補足しました。 「この本を読んで、人とのコミュニケーションについて深く考えるようになったとか、家族との時間をより大事にするようになったとか、役に立ったことがもしあれば教えていただきたいのですが」 すると、講師の方はこうおっしゃいました。 「本は、『何かの役に立つこと』を期待して読むものではないですよ」 読むこと自体が体験・事件である 話を簡単にまとめると、「読んでいる瞬間を楽しむ」。本の役割は、まさにそこにあるというのです。 目からうろこが落ちました。 私は無意識のうちに、本を読むことに「何かを得る」「何かに役立てる」という価値を求めていました。 というか、その雑誌企画そのものが、その前提で成り立っていた。だって普通、そうですよね? でも必ずしもそうではない。読むという体験自体が価値になる――。 もちろん、文学と、私がつくっているコンテンツとは違います。ニュースレターやウェブ記事は、読者に役立つ情報を届けることが大きな目的です。 でも、それだけでいいのかなとも思うのです。読んでいる時間そのものを楽しんでもらうことも大切にしたい。 例えば、インタビュー記事なら、取材相手の意外な一面が見えたり、思いがけない言葉に出会えたりというところに、読者は心を動かされるのではないでしょうか。 記事に添える写真もそうです。そのコンテンツにふさわしいものを撮りおろす。"もらい写真"はコンテンツの価値を下げます。私の写真の師匠はしょっちゅう、「まだ見ぬ一枚を撮れ」などと言ったものです。 コンテンツを通じて役立つ情報を届けるだけでなく、読むという「今ココ」の体験価値を届けられたらなと思います。 価値があるのは、そう――。今でしょ! おあとがよろしいようで。
- 京都の料理屋で教わった、情報発信で「正しさ」よりも大切なこと
京都にある、とある料理屋さんを取材したときのことです。 記事の最後にお店の基本情報として、「最寄駅から徒歩何分か」を記載する項目がありました。 実際に歩いてみたらゆっくりペースで4分程度だったので、原稿に「徒歩4分」と書き、お店に内容確認をしていただきました。 後日、店主から電話がありました。 「原稿の『徒歩4分』という部分を『徒歩5分』に直してもらえますか?」 思わず「そんなにかかりますかね?」と聞くと、店主の方はこうおっしゃいました。 「4(し)は縁起が悪いからね」 正しさの先にあるもの 思わずハッとしました。自分にとって「4分」は単なる数値に過ぎませんでした。 しかし商売を営む方たちからすると、記事のように"形になるもの"は、縁起を担ぎ、気持ちよくお客さまをお迎えするためのものであってほしい――。 もちろん正確さは大切というか基本です。さすがに黒いものを「白」と書くわけにはいきません。しかし、情報を発信するのも受け取るのも常に「人」。根っこにあるその事実を考慮しなければ本末転倒だと、気づかせてもらいました。 言葉や情報の出し方ひとつで、受け取った人の気持ちや安心感は大きく変わってくる。人に機微に通じる「情報の出し方」があるんですね。 ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar
- 拷問よりも効く!? テロ容疑者の口を割る方法
「グアンタナモ」と聞いてピンと来る方、いますか? はい。あなたは戦争アクション映画の見過ぎですw かく言う自分もそうなのですが――(もちろん戦争には大反対です)。 キューバのグアンタナモ湾というところに米海軍基地があり、そこに捕虜収容所があるんですね。2001年のアメリカ同時多発テロ事件(9・11)以降、ブッシュ政権下の「対テロ戦争」の一環として建設・運営されている施設だそうです。 ここには、主にアルカイダやタリバンに所属するテロ容疑者が収容されました。この間、捕虜に弁護人立会いを認めなかったり、無期限拘禁をしたり、過酷な尋問・拷問が行われたりしたことが明るみになり、国際人権団体や国際社会から強い批判を浴びたこともあります。 そんな背景があるがゆえ、戦争アクション映画で、元CIAエージェントなどが「俺は相当ヤバい仕事をしてきた」という意味を暗に示すため、「俺はグアンタナモにいた」というセリフを吐く場面があったりします。 前置きが長くなりましたが――。 ①捕虜を尋問するとき、②人にインタビューをするとき。この二つに共通点があると言ったら、皆さん驚くでしょうか? "最凶"の捕虜収容所で尋問官が大切にしていること 元アメリカ国防総省の公認軍事尋問官・海軍情報将校でグアンタナモで尋問官を務めたレナ・シスコ氏は、著書で次のように述べています。 "捕虜に本当のことを語らせるためには、お互いが信頼関係で結ばれていなければならない" 映画の世界では捕虜を水攻めなどの拷問にかけて口を割らせるシーンがありますが、レナ・シスコ氏は、あのような手段は効かない(限界がある)というんですね。 一番効くのは相手との信頼関係……。拍子抜けするくらい当たり前のことなのでした。 でも、これってインタビューと同じです。 もっとも、インタビューは捕虜の尋問と違い、相手が犯罪容疑者だったり、人の命が関わる情報を引き出したりすような緊迫した状況はありません。 しかし、インタビュアーにとってインタビューは、それなりに緊迫した"たたかい"ではあるんですよね。 なぜなら最初「はじめまして」の名刺交換からスタートして、限られた時間の中で必要なことをすべて聞かなければならないから。そのためにインタビュアーは、質問を適宜工夫したり、会話を途中でコントロールしたりします。インタビューは単なるおしゃべりではないのです。 質問の工夫とか会話のコントロールとかは、色々テクニックがあるんですが、それについては割愛します。いずれにせよベースに相手との信頼関係がなければ、インタビューは上手くいかないのです。心を閉ざした相手にこまごまとしたテクニックは効きません。 では、どうやって短時間に信頼関係を築くか。 最も大事なのはインタビュイーが「私はあなたの話を聞きたい」という態度をもって挑むことだと自分は考えています。抽象的に聞こえるかもしれませんが、そのような態度はインタビューの事前準備のプロセスで、整えることが可能です。 このような事前準備は、人とコミュニケーションをとるあらゆるシーンに共通に効くもので、営業担当者がお客さまのもとを訪れたり、取引先と良好な関係を築くためにも役立つものだと思っています。 当社の「インタビュー講座」では、その事前準備についても詳しくお伝えしています。インタビューで人の本音を引き出せたとき、大体、その方は喜んでくれます。インタビューは人を喜ばせるものなんですね。そんな体験を一緒にしてみませんか? ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar ※参考文献:『元米軍尋問官が教える 本音を語らせる技術』(レナ・シスコ著)
- カザフスタンで聴いた『パリの散歩道』
起業仲間から「海外旅行代理店業を始めた」と連絡がありました。もともと大手旅行代理店に勤めていた人で、旅行に対する思い入れも強く、旅先でのいろんな思い出も聞いたことがあります。いやあ! めでたいめでたい。 なんてことを考えていたら、自分が海外を訪れた時の情景が突然、パッと頭に思い浮かびました。 ただし、その情景が旅の主目的やハイライトではなく、ほんのちょっとした出来ごと・瞬間だったのが意外でした。 その情景とは――。 地質調査でカザフスタンを訪れた時、ホテルの前に停まっていたクルマのラジオから『Parisienne Walkways』(パリの散歩道)が流れてきたときの情景。 カザフスタンは中央アジアの国。地図で見るとロシアの下にあります。 『Parisienne Walkways』は北アイルランド生まれのスーパー・ギタリスト、ゲイリー・ムーア(Gary Moore、故人)が1978年に発表した名曲。"泣きのギター"名手の、哀愁たっぷりな代表作です。 私がカザフスタンを訪れたのは1997年と98年の2回。ロシアとの国境近くにある小さな田舎町を訪れました。その頃、町の郊外でマイクロ・ダイヤモンド(直径1/1000mmほどのダイヤモンド)が見つかり、話題を集めていました。 ダイヤモンドは地下300㎞の深さからマグマがあふれ出した火山跡地で採れる鉱物です。地表の限られた地域でしか採れないものなんですね。調査で訪れた地域は従来、ダイヤモンドの産地として知られるところではなかった。ではなぜダイヤモンドがそこにあるのか? それを調べるために訪れたのです。 私たちは東京工業大学教授を中心とする学術チームとして訪れていましたが、同じ頃、ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)などの資源メジャーも調査に訪れていたと聞いています。 調査は1カ月間で滞在先はホテルです。毎朝、あらかじめ手配しておいたクルマに乗って郊外の調査地域に行きます。 クルマは外装がデコボコのRAF -2203ラトビアでした。東欧諸国で一般的な、トヨタ・ハイエースのようなクルマです。 町の道路は穴だらけ。クルマのシートはクッションがヘタっており、ずっと乗っているとお尻が痛くなります。 夕方、調査を終えるとホテルに戻ります。ホテルの地下にシャワー室があり、限られた時間そこで熱いシャワーを浴びることができました。 シャワー室の壁に小さなボードが掲げられていて、核爆発が起きたとき放射線被害を逃れるための手順が書かれていました。そのイラストが怖かったです。 カザフスタンは2000年以降、国として発展を遂げましたが、当時はまだロシアから独立後の混乱のさなか。国内は不況続きで、出会ったほとんどのロシア人が国外移住を考えていました(国民の1/3がロシア系)。 息抜きは酒を飲むこと。毎日、街角のキオスク(売店)でウォッカを買いました。 夕方、そのウォッカを買った帰り。ホテルのエントランスの前にラーダ(ロシアの乗用車)が停まっていて、カー・ラジオから自分の好きな曲、ゲイリー・ムーアの『Parisienne Walkways』が流れてきたのです。 自分がよく知っている曲が突然流れてきたという驚きもありましたが。 乾いた夕陽、穴だらけの道路、風に舞う砂、ラーダのボンネットに憂鬱そうに腰かけていた男、調査でヘトヘトに疲れた身体――。あのカザフスタンの田舎町の情景が、哀愁あふれるこの曲にピタリと当てはまったんですよね。 地質調査が目的で訪れたのに、その旅で最も強烈に記憶に残っている情景となりました。 こんな、どうでもいい瞬間が旅の記憶として心に焼き付いてることって、ありませんか?
- スティーブン・キングの映画『スタンド・バイ・ミー』が教えてくれたこと
娘が突然「スタンド・バイ・ミーを観たい」と言い出しました。家族3人でアマプラで観ることにしました。きっかけは「朝日小学生新聞」。この映画を見た子どもの感想文が掲載されているのを読んで、興味を持ったようです。 自分は20年ぶりくらいにこの映画を観ましたが、細かいところはすっかり忘れてしまい――。初めて見るかのような気持ちで楽しむことができました。 原作者の物語 一番「あっ、そうだった!」と思ったのは、この映画が原作者スティーブン・キングの回顧録のような側面を持っていたということです。この映画の“語り手”であるゴーディは、大人になって小説家になるんですよね。 物語の大半はゴーディの少年時代の記憶として展開します。 その主軸となるのが少年クリス。彼は少年たちの間のリーダー格、強くて頼もしい少年なのですが、学校の担任の先生に給食費窃盗の“濡れ衣”を着せられた過去があります。それが彼の心に深いトラウマを残している。 「うちが貧乏だからだ。金持ちの家だったらそうはならない」と、可哀想なクリスは泣きながらゴーディに語ります。彼の心の痛みが、観る者に強く響きます。 他の2人の少年、テディとバーンは焚き火の周りで毛布にくるまって寝ています。クリスは仲間たちのリーダーですが、心を許しているゴーディには、涙を流しながら自分の思いを打ち明けます。 「俺たちのことを書け」 4人の少年たちには中学校進学が控えています。「お前はちゃんと進学クラスに行けよ」とクリスはゴーディに言います。そして次のように続けます。 「物書きになれ。書くことがなくなったら俺たちのことを書け」 スティーブン・キングの幼少期にこんなことがあったのかは分かりませんが、泣ける話です。本当にあった話ではないでしょうか。 自分はスティーブン・キングのような小説家ではありませんが、言葉や物語を面白がるようになったきっかけが確かにありました。それに気づくことができました。 親が背負うもの 映画を久しぶりに観て、心を打たれたことがもう一つあります。それは、親が背負っていることは、子どももそれなりに背負っているということです。 幸い、自分は親に大切に育ててもらいました。しかし、幼少期のことや当時の友人のことを思い出すと、涙があふれてきました。親の思いが、子どもにどれほど影響を与えるのかを感じました。 あと「どこかで見たことあるな~」と思ったら、ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』シリーズの主演キーファー・サザーランドが不良のリーダー格として出ていたことにも驚きました。彼の存在が、映画にさらなる深みを与えています。 “書きたくなる映画”は他にもあります。次回は、他の映画も紹介したいと思います。皆さんにもあったら、ぜひ教えてほしいです! ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar
- 木を「伐る」ことを決断したハウスメーカーの話
以前、ある住宅メーカーのオウンドメディアのお手伝いをした時、記事の表記について独自のこだわりを持っておられ、思わず唸ってしまいました。 その住宅メーカーは建材として国産の木材を使います。その木材をつくるため全国各地に植林地・森林を所有しており、木を育てるところから取り組んでいる。 同社のオウンドメディアの記事中には、"木を伐採する"という意味で「きる」という表現が出てくるのですが、その際、漢字を「木を切る」ではなく、必ず「木を伐る」と統一表記しているのです。 文字は哲学を表す 実は「きる」という漢字は色々あります、「切る」「伐る」「斬る」「剪る」……。 新聞記事ではこれらをすべて「切る」に統一することが多いです。常用漢字に「きる」は、「切る」しかないので。「より多くの人にとって読みやすいように」という判断からこのようにしているわけです。 しかしこの住宅メーカーは、あえて「伐る」という漢字を使っている。これは読み手に、静かで強烈なニュアンスを与えます。 里山に人が入り、手塩にかけて育てた木。それを活かすために命をいただくというような。木や森に対する深い敬意が感じられます。 このメーカーがつくる住宅には、そんな貴重な木材が使われている、ということが伝わってきます。 単なる漢字の違いかもしれません。しかしそこには、自社の事業や木という資源に対する強い哲学が流れている。この細部への徹底したこだわりと愛着に、感銘を受けました。 表記の統一は、企業姿勢のあらわれ オウンドメディアを制作・運営していると、忙しさのあまり「漢字を開くか閉じるか」「どの表記に揃えるか」というルール作りが後回しになりがちです。 「さまざま/様々」「こども/子ども/子供」など、どれを使っても意味は同じですが、記事によって表記がバラバラだと、読者は無意識のうちに小さな引っかかり(ノイズ)を感じ、文章への集中力を削がれてしまいます。 例えば子育て用品を扱う企業が、HPやカタログ、チラシなどで「こども」「子ども」「子供」と表記をバラバラにしていたら、皆さんはその企業にどんな印象をもつでしょう? 意図があって書き分けているのならともかく……。 逆に、自社の哲学に基づいた表記がすみずみまで徹底されているメディアは、読む人に圧倒的な安心感とプロとしての信頼感を与えます。表記を揃えることは、単なる校正作業ではなく、企業の姿勢を示す大切なブランディングなんですね。 株式会社ビートアンドライトの「インタビュー講座」では、インタビューでの聞き方はもちろん、読者の心に届く文章に仕上げるための言葉選びや表記の考え方についてもお伝えしています。細部にまで想いが宿る、確かな発信を一緒に目指してみませんか? ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar
- インタビューの質問票の重要性とその活用法
「せっかく準備した質問票なのに、本番では上から順に読み上げるだけで終わってしまった……」 インタビューの現場で、そんな苦い経験をしたことはありませんか?手元のメモに目を落とし、「次は3番、その次は4番……」と消化することに必死になる。相手の表情を見る余裕もなく、まるで台本をなぞるようなぎこちない空気になってしまうのです。 かつての私も、まったく同じ失敗を何度も経験してきました。質問票に縛られるあまり、相手が目の前でこぼしてくれた「本当に面白い本音」を拾い落としていたのです。 インタビューの質問票の存在意義 では、なぜ綿密な質問票を用意するのでしょうか。それは、がんじがらめの取材をするためではなく、現場で起こる想定外を受け入れる、なんならそれを楽しむためです。 「この記事で何を伝えたいのか」という目的地と命綱があるからこそ、私たちは現場で相手の話が予想外の方向に脱線したとき、安心してその「寄り道」を楽しめます。 「そのお話、すごく面白いですね!」と、予定にない質問へ思い切って飛び込めるのは、「いつでも戻ってこれる場所」が質問票として手元にあるからです。命砂のようなもの、と言ってもいいかもしれません。 その命綱がなければ、迷子になるのを恐れてマニュアル通りの質問しかできません。質問票とはインタビュアーを縛る鎖ではなく、現場で即興の対話を乗り越える、そして楽しむための土台なのです。 インタビュー相手と「対話」を楽しむために インタビューで一番大切なのは、質問票を100点満点でこなすことではなく、目の前の相手の言葉に耳を澄ませることです。「頭ではわかっていても、いざ本番になると手元のメモばかり気になってしまう……」 もしそう感じていても、落ち込む必要はありません。単に「質問票を持ちながら、落ち着いて対話する練習」を積む機会がこれまでなかっただけです。 実践的なロールプレイング 株式会社ビートアンドライトの「インタビュー講座」では、実践的なロールプレイングを通して、現場で焦らず対話を楽しむコツをお伝えしています。質問票を頼もしい味方にして、もっと自由で楽しいインタビューを一緒に体験してみませんか? インタビューすること、書くことを、一緒に学びませんか? ★★★インタビュー講座★★★ ★★★ガチでメディアで活躍したい人限定!★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar
- インタビューにおける「トヨタ生産方式」「どちて坊や」問題
主にビジネスで発生した課題の原因を探る手法として「なぜなぜ分析(5 Whys)」というのがあります。「なぜその課題が発生したか」「その原因はなぜ起きたのか」……と5回繰り返すと、本質的な原因にたどりつくことができる、という思考のフレームワークですね。 一方で(ものすごく突然ですが)、アニメ『一休さん』に「どちて坊や」というキャラクターが存在するのをご存知でしょうか? 私くらいの年代の方でなければ知らないと思いますが(-_-;) どちて坊やは、何か分からないことがあると、何でも周りの大人たちに「どちて? どちて?(どうして?)」と聞きまくる。その問いかけがとてもしつこくて、ついに一休さんも新右衛門さんも参ってしまう。そういうキャラです。 インタビューで「どちて坊や」にならない インタビューで相手の回答に対して、「それはなぜですか?」「どうしてですか?」と質問を繰り返し、本質に迫ろうとするときがありますよね。そうやって深掘りすると、インタビュイーの心の中に潜む信念とか、大切にしている考えがあらわになったりします。 しかしインタビューで「なぜ?」「どうして?」を繰り返すと詰問調になってしまい、会話のリズムが壊れるんですよね。なので、ここはちょっと工夫をしたほうがいいと思います。 工夫といっても実に簡単なことで――。「そこ敢えて、そうした理由を伺わせてください」とか「それは面白いですね! それにしてもそんなことする人、少ないんじゃないですか?」……など、言い方をちょっと変えればいいんです。 この場合、「今のお話はとても面白いので、もっと深く聞かせてほしい」「その根っこにあなたの信念が隠れているように思うのですが、いかがですか?」という、こちら側の気持ちをにじませることが大事だと思うんです。機械的に「なぜ?」「どうして?」と聞くのと比べて、相手が受ける印象は変わってくるはずです。 ちなみに、なぜなぜ分析の場合、そもそも使うシチュエーションがインタビューというよりも、課題を持った組織(あるいは担当者一人)が原因を探る状況にあるので、上記のような"言い方の工夫"は必要ないわけです。 もちろん、相手の表情など様子を伺ったうえで、どのように言うかを決めるんですけれど。会話のリズムをつくる、会話を温める、そのための工夫を積み重ねることで、相手の本心に一歩一歩、近づくことができるのだと思います。 ちなみに冒頭の画像は、Geminiにどちて坊やを描いてもらった結果ですが、全然似ていませんw 著作権の関係で同じタッチの絵は描いてくれないのでしょうけれど……。 どちてこうなったの!? ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar
- インタビューの質問力を上げる「映像化」テクニック
例えば経営者の方にインタビューをしているとき、相手が「私は社員とのコミュニケーションを大事にしています」と言ったら……。 「はい、そうですか」と次の質問に移ってはいけません。ここは話を深掘りして聞かないといけない。 なぜなら「コミュニケーション」という言葉は、具体的な行動を表してはいなんですね。原稿に「〇〇社長は、社員とのコミュニケーションを大事にしています」と書いても、具体性を欠くので面白くないわけです。「ふわっ」とした原稿になってしまいます。 映像化するためには5W1Hの情報が必要 ようするに「5W1H」が大事という話なのですが、「いつですか?」「なぜですか?」とたたみかけるように聞くと、尋問のようになってしまうので避けたいところ。 そんなとき自分は「頭の中で映像化する」というテクニックを使っています。 「私は社員とのコミュニケーションを大事にしています」という社長の回答に対し、「具体的にどんなことをするんですか?」と聞いていく。すると――。 「全社員と1on1ミーティングをしています」「オフィスでの雑談を大切にしています」といった話が出てくる。それに対しさらに、「どれくらいの頻度で1on1ミーティングはやるんですか? 全社員とやるなんて、時間がかかるでしょうね?」「雑談って例えばどんな話をするんですか? 仕事以外の話もするんですか?」と深掘りしていく。 すると徐々に、この経営者が言う「コミュニケーション」の様子を、頭の中に思い描くことができるようになります。映像化できたら大体、5W1Hの必要な要素はつかめているはず。 逆に、頭の中の映像で、まだボヤッとしている箇所は深掘りして聞くポイントだったりもします。 インタビューにおける質問力とは「瞬発力」 「いざ、インタビュー本番になると、相手の話を深掘りするための質問が思い浮かばない……」という方もいるかもしれません。 確かにインタビューではとっさの判断、機転、瞬発力が求められる場合があります。「映像化」はそんなときに使える道具の一つです。 当社は、実際のロールプレイングと丁寧なフィードバックを通じて、インタビューの技術をお伝えしています。私と一緒に、人の言葉の奥にある"景色"を観てみませんか? ★★★インタビュー講座★★★ ★★★マンツーマンで「知りたいこと」をがっちり学べます★★★ ↓↓↓↓↓ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar












