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  • インタビューは究極のアウトドアスポーツ

    インタビューの仕事をしていると、よく「質問力が大事だ」とか「事前準備がすべてだ」と言われます。もちろんそうなのですが、現場で最も痛感するのは、「人間はコントロールできない『自然』そのものである」という事実です。 例えば、インタビューは樹海やジャングルを歩いて進むことに似てると思います。準備段階では、あらかじめ「聞き出したいこと」を決め、質問案を作り、ゴールを見定めます。しかし実際の対話は、整備されたアスファルトの道路を歩くようにはいきません。目の前の人間は、常に変化し続ける複雑な生態系のような存在だからです。 軽い問いかけが、相手の深い核心に触れて、話が大きく逸れることもあります。相手側のコンディションの問題もあります。その日の体調、その日の気分、直前にあった出来事によって、言葉の「茂み」の深さは変わります。ともかく、置かれた状況でベストを尽くし、目の前の相手という密林を丁寧にかき分け、その時、その場所でしか見つけられない言葉を拾い上げる。それがインタビュアーの役目です。 インタビューはサーフィンにも似ています。対話には「流れ」があり、これは刻々と形を変えていく波そのものだと思うのです。インタビュアーはときに、相手を見てタイミングを待つことが求められます。核心に触れる質問を投げるには、海面に漂いながら「良い波」が来るのを待つ忍耐力が必要なのです。 そしてバランス。相手の話が熱を帯びたとき、あるいは沈黙が流れたとき。そのリズムを否定せず、波の動きに合わせます。無理に自分のペースに引き込もうとすれば、波(対話の流れ)は崩れてしまうでしょう。相手が作り出すリズムを尊重し、そこにうまく乗っていく。そして波と一体化する。それが、結果として質の高い言葉を引き出す近道になります。 インタビューは制御不能だからこそ面白い 人間を「情報を吐き出す機械のような存在」ではなく「制御不能な自然」として捉える。一見、非効率に見えるこのスタンスこそが、インタビューの醍醐味です。だからこそ、自分一人で考えるだけは到底たどり着けなかったような、驚くほど美しい景色(言葉)に出会えるのです。 インタビューとは、人間という未知の領域を、敬意を持って歩き回る作業である。 この仕事の本質はテクニック以前に、目の前にいる「人間」という「自然」をどれだけ面白がれるかにあるのかもしれません。インタビューは究極のアウトドアスポーツなのです。 あっ、ちなみに私はサーフィンをしたことがありません。生意気なこと言ってすみませんw

  • プロインタビュアーは死者の言葉も紡ぐ

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar 「図書館は、死者らで満ちあふれた魔の巣窟である」と、アメリカの思想家エマソンの言葉を引用して教えてくれたのは、ラテンアメリカ文学ブームの口火を切った作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスでした。 プロインタビュアーによって綴られた本・テキストも、少し先の未来において、死者の言葉の記録になることでしょう。そこに、ひとまとめに編纂された人間の思想なり、人間の取り組みの記録なり、価値あるものがまとまっているとしたら、きっと後世の人々の役に立つだろうと私は信じています。 「今綴っている記録」がやがて「死者たちの記録」になるという話ですが。一方でプロインタビュアーは、すでに亡くなった人の声を、文字に起こすこともできるんです。平たくいうと、「もう亡くなったけれど、あの人はこう言っていた」という話を、生きている人から聞いて記録するわけですね。 これに関連して、インタビューの力・効果の話を二つお話したいと思います。以前、明治初期から続くとある親族会社の歴史をまとめるために、関係者にインタビューした時の話です。何人かにインタビューしたのですが、その中のお一人――。 90歳近い女性――仮にH子さんとします――は親族会社の取締役ですが、お子さまがおらず、旦那さま(本家の人)も15年ほど前に亡くなったということで、端的に言うと、自分は取締役であるにもかかわらず「蚊帳の外にいる」。そんなかたちになってしまいました。ご親族同士の仲は本当に表裏なく、とても良好なのですが……。客観的にそう見えてしまう。もちろんご本人は、そのようなことは思っていらっしゃらなかったかもしれないし、少なくともそんなことは一切、言いませんでしたが。 そのH子さんは旦那さまを亡くして以来、ずっと元気がなく塞ぎこんでいたそうです。外出することもほとんどなく、広くて立派なお屋敷の、旦那さまの部屋は手付かずのまま。お住まいは地方なのですが、旦那さまが仕事用に買った東京の区分マンションも約15年間、片付けも始末もせず。使っていないのに固定資産税だけ支払っている状況でした。 プロインタビュアーはときにシャーマンになる H子さんは言います。「あのひとが死んだなんて、今でも信じられない」。自分も母親が亡くなった時、しばらくそんな気持ちだったので分かる気がします。 いよいよ親族会社の歴史をまとめるインタビューのためH子さんのお宅を訪れた日――。その時は“亡くなった旦那さまが、いかに親族会社に貢献したか”という話をしっかり伺いました。そしてH子さんと旦那さまの二人の思い出――初めて二人が出会った瞬間、名門ゴルフ場での意外な接点、結婚後よく訪れたアメリカ旅行、親族のルーツを探す旅での珍道中――も。 普段は家にこもりっきりのH子さんが、8時間もぶっ続けで話をしてくれました。しかも話の途中で、おいしい八女茶を淹れてくださり、おいしい羊羹まで切って出してくださった。鮮やかな朱塗りの小皿、私の日常生活ではまず見ることのない黒文字の楊枝――。 H子さんは実に生き生きと、亡くなった旦那さまとの思い出を話してくださいました。旦那さまは実に社交的で、しかも親族の会社(会社は複数あった)の歴史の記録を、後世に残すことに意欲を持ちながら、それを果たせず亡くなったということでした。 インタビューの最後、H子さんは次のように言ってくださいました。「うちの会社の歴史を聞いてくださったこと、夫の話を聞いてくださったこと、それを書いて残していただくことを、主人は感謝していると思います」 自分はその瞬間、涙があふれそうになりました。いや、正直、涙が流れました。 豪邸のリビングの空いたソファの一つに、亡くなった旦那さまが確かに座っていたように感じました。少々オカルト的な話に聞こえるかもしれませんがw お会いしたことはないけれど、社交的な性格で、会社の歴史を後世に残したいと常々思いながら亡くなった旦那さまに、「じゃあ中島さん、あとは頼むよ」と肩を叩かれたような気が、確かにしたのです。 かくして、そのインタビューは無事、冊子としてまとめることができました。旦那さまが親族会社に貢献したエピソードの数々も、その中に盛り込むことができました。これはインタビュアーならではの仕事です。インタビューの力・効果の1つ目。 もう1つは普段、塞ぎこんでいたH子さんがインタビューを通じて、生き生きとした時間を取り戻してくれたことです。「あのひとが死んだなんて、今でも信じられない」と言っていたH子さんですが、旦那さまの思い出話をすることで、心の中で少しは旦那さまのご供養ができたのではないかと思うのです。 インタビューは話す側(インタビュイー)にもメリットをもたらします。これがインタビューの力・効果の2つ目です。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • プロインタビュアーは現場に30分前に到着する

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar プロインタビュアーにとって、これは単なるタイムマネジメントのルールではありません。仕事に対する誠実さと、臆病なまでの自衛策が入り混じった、一つの儀式のようなものです。 なぜ、そこまで早く着く必要があるのか。そこには、インタビュー特有の「一期一会」のプレッシャーがあります。記事の執筆なら、"泣きを入れれば”締め切りにちょっと遅れても挽回できる余地があるかもしれません(もちろん基本的にはNGですが)。しかしインタビューは違います。対象者の時間は、分単位で管理されている「預かりもの」なのです。 もし交通機関の乱れで15分遅刻したとしましょう。1時間の取材時間は45分に削られます。何より恐ろしいのは、遅刻によって自分自身の心が乱れ、相手との信頼関係という「見えない土台」が崩れることです。呼吸を乱して駆け込んだインタビュアーの言葉に、誰が心を開くでしょうか。一度失った「聞く権利」を取り戻すのは、原稿を書くよりも遥かに困難なのです。 プロインタビュアーは30分で「チューニング」する インタビューが始まる30分前に現場に到着し、近くの喫茶店や、あるいは駅や公園のベンチで過ごす時間は、決して無駄な待機ではありません。それは、日常の喧騒から「取材モード」へと自分を切り替える、「スイッチ」する時間です。 ●五感の準備:質問案を最終確認し、対象者の最新のSNSやニュースをチェックする。 ●道具の点検:録音機は回るか、ペンのインクは出るか、予備の電池はあるか。 ●心理の構築:深呼吸する。どんな相手でも柔軟に対応できるように心の準備をする。 この30分があるからこそ、ライターは「何が起きても大丈夫だ」という静かな自信を持って、訪問先のドアをノックすることができるのです。 これは、特に暑い真夏には必須です。自分は汗かきなので、あんまり汗びっしょりで現場に着きたくはない。冷房の効いた電車(またはクルマ)で移動し、冷房の効いた喫茶店(自分は「ドトール」が好きです)で最終チェックしつつ、そこでネクタイを締めて、現場に向かうようにしています。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • インタビューで聞くのは人間模様

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar プロインタビュアーの仕事は、ときに著名な経営者や憧れのスターと対峙し、その肉声を聴きます。しかし実は、極限の集中力と繊細な人間理解を要求される、きわめて泥臭い、感情の起伏の激しい仕事です。 そんなプロインタビュアーにとって最も「喜しいこと」は、予定調和が崩れ、相手の「剥き出しの言葉」がこぼれ落ちた瞬間です。 当初は用意された模範解答を繰り返していた取材対象者が、ふとした問いかけをきっかけに、ふっと表情を緩める。あるいは、深い沈黙のあとに「こんな話、初めて人に話すんですが」と、心の奥底に眠っていた記憶を語り始める。そのとき、現場の空気は密度を変え、静かな熱を帯びます。 自分の準備した「問い」が、相手の人生という「鍵穴」にカチリとはまった感覚。この、他者の人生の一部を分かち合う濃密なカタルシスこそが、この仕事から離れられなくなる最大の報酬です。 インタビューの原点は人への好奇心 一方で、喜びの裏側には常に「悲」が張り付いています。準備を重ね、万全の態勢で臨んだとしても、人間同士の「相性」には抗えないことがあります。こちらの意図が空回りし、相手が頑なに心を閉ざしてしまったときは、へこんでしまいます。 話の核心に触れようとするたび、まるで"広報担当者”のような出来合いの回答でかわされる無力感。与えられた時間はわずか15分、その短時間で信頼関係(ラポール)を築けなかった自分への不甲斐なさ。文字起こしを見ながら、「なぜここで踏み込まなかったのか」「この質問は余計だった」と頭を抱えることも。 取材対象者の言葉を預かるつもりで挑んでいながら、十分に引き出せなかったときも、ゼロではありません。ベテランになるほどそんなことは減るけれど、これから一切ないとは限らない。 結局のところ、インタビュアーの悲喜こもごもを分かつのは、「人間に対する飽くなき好奇心」という名の「業」かもしれません。 どんなに冷たくあしらわれても、あるいはどんなに美しい物語を聞かされても、私たちは「本当のところはどうなのだろう」と疑い、探し続けることをやめられません。相手を丸裸にするようでいて、実は鏡のように自分自身の人間力や度量が試されている――。インタビューとは、他者の人生を借りて自分を研磨する、贅沢で残酷な営みなのです。 ペンを置き、レコーダーを止めた瞬間に訪れる、祭りのあとのような静寂。そこで感じる心地よい疲労感と、わずかな後悔。その入り混じった感情を抱えながら、プロインタビュアーはまた次の「人生」に会いに行きます。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • インタビューライターは「言葉が出てくる感覚」を大事にしたい

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar 私の一人娘(今年小学4年生)は、この歳にしては結構本を読んでいると思います。とある子供用文学全集はすべて読み尽くし、三国志は子供向けと準子供向け(?)を含めて2度読んでいます。日本の古典、ギリシャ神話、『マジック・ツリーハウス』にもめっぽう詳しい。 自分は出版業界に入りましたが、子ども頃、本はあまり読まなかったです。浪人の時、椎名誠を読んで出版業界にあこがれて入ったようなところがあります。 この話に通じるんですが、先日あるインタビューライターと蒲田の韓国料理店で飲んでいた時、「うちで『インタビュー講座』をやろうと思うんだけど、どう思う?」と聞いたら、相手は「うーん」と苦い表情をするんです。 インタビューをした後、文章にまとめる想定の講座なワケですが、彼曰く「文章を扱う仕事の上手い下手は、テクニック云々より、どれだけ本を読んできたかで決まるんじゃないか」と言うんですね。確かに言葉を綴るには、言葉を知らないといけませんものね……。 インタビューライターが娘の表現に驚いた 先日、それを裏付けるかのようなことが身近で起きました。 自分は毎朝、スマホで音楽を聴きながら日記を書くのですが、その際いつも大体3曲くらいの決まった曲をかけるんです。その一つがエリック・クラプトンの『River of Tears』。娘も「この曲、大好き」と言ってくれます(半強制的にいつも聞かせているから?)。 この曲は、バスドラムが1拍目と3拍目を支えるような演奏で、とてもゆったりとした感じがします。まさに"涙の河”がゆったりと流れていくかのような。でもこれを聞いた娘は、「巨人が歩いているみたい」と言うんです。娘自慢ではないですが、この言葉の選び方はセンスがいいなと思いました。 この曲は、恋に破れて街を去る男の歌なのですが、そんな情けない男にですら、生き続けようとする力強さ(巨人の背中のような)がある。そんなことを感じ取っているのかもしれません。悲しいけれど、人間って強いよねと。 うん、この曲のゆったりとしたリズムは「巨人の足音」と捉えたほうが、心に染み入るものがある気がします。というわけで当社の「インタビュー講座」は意味がない!? いやいや、そんなことはありませんので、ぜひぜひお問い合わせください! ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • プロインタビュアーがエレベーターのボタンを押しまくる理由

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar 突然ですが、私はエレベーターの操作を率先して行います。例えば、経営者にインタビューするため相手の会社を訪れるとき。会社の総合受付が上の階にあったりするので、エレベーターで昇ります。 で、エレベーターの“カゴ”に入って「操作盤」の前に立ち、自分が降りる階のボタンを押すと同時に、他にも人がいれば「どちらの階ですか?」と聞いてボタンを押すようにしています。 実は企業を取材するとき、エレベーターは格好の「人間観察の場」です。会社によって本当にさまざまです。ある会社では、社員が自分の降りる階のボタンを押したらスマホを見ながらサッサと奥のほうに行く。また別の会社では、社員が私を見て来客だと気づき「受付階でよろしいですか?」と聞いてボタンを押してくださる。 どちらのほうが気分がよいか。もっと言うと、どちらのほうが客観的にみて「いい会社」か――。言うまでもないでしょう。まぁ、それでインタビューのとき「御社の社員はエレベーターのマナーがなってませんね」などと聞くことはありませんがw OB・OG訪問とか、インターンシップの学生さんが見るでしょうに。あんまり関係ないのでしょうかね? ともかくプロインタビュアーの情報収集は、エレベーターに乗った時から始まっているのです。 プロインタビュアーが思わず目を見張る「操作人」もいる エレベーター操作に関してもう1つ別の話。操作盤がカゴの左右両側にある場合、かつ、反対側の操作盤にも人が立っている場合――。“どっちがエレベーターを操作するか問題”というのが起こり得ます。しかし、このときも私は自分で操作するようにしています。 きっかけは伊藤羊一さんの著書 『1分で話せ』(SBクリエイティブ) に出てきた「焼肉理論」だったと記憶しています。詳細は省きますが、ようするに「進んでその場の主導権を握っちゃおうよ」という話。エレベーターに2人だけ残って、「どうぞ」「あなたこそどうぞ」と、“お手玉”しちゃうのも面倒くさいと思いませんか? だからエレベーターで相手と同じ階で降りるとき、なおかつ自分と相手がお互い「開」ボタンを押している状態でも、自分は強く「どうぞどうぞ、どうぞどうぞ」と言って相手を送り出し、最後は自分一人でカゴを出る。丸の内の高層ビルでも、出張で泊まるアパホテルでも、大井町のイトーヨーカドーでも、そうしています。 ちなみに大井町のイトーヨーカドーとかDCM大井競馬場前店に、家族でよく買い物に行くのですが、混雑したエレベーター内で率先してボタン操作をするオトーサンがたまにいたりします。そんなとき、「コイツ、やるな……」などと思ってしまいます。 最後にエレベーターの思い出を。昔、東京駅の近くに「八重洲富士屋ホテル」というのがあり、20年くらい前に泊まりました。楽天トラベルで8500円くらいだったと思います。 夕方にチェックインを済ませ、飲んで明け方3時頃ホテルに戻りました。1階フロアは真っ暗。一番奥にフロントがあり、小さく灯りがともっています。スタッフはフロントに1人、フロアにベルボーイが1人。「505号室の中島です」といってフロントで鍵を受け取ると、ベルボーイがわざわざエレベーターのドアを腕で開けて待っていてくれました。 「ありがとうございます」と言ってエレベーターに乗り込み、操作盤を見ると、すでに5階のボタンが押してあった――。 凄いと思いません? とても素敵なホテルでした。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • インタビューライターは広報担当者と共謀する

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar ちょっと矢沢永吉っぽくタイトルをつけてみましたが、すみません。「共謀する」は正しくいうと「共創する」ですね。ギリギリ「企てる」か――。 インタビューに先立ち、ライターは事前準備をします。例えば、オウンドメディアなどで上場企業社長にインタビューする場合を考えてみましょう。 上場企業ともなれば全国紙にちょくちょく情報が出ます。 日経電子版 、もし使える環境があるなら「 日経テレコン 」で、相手の会社の直近のニュースをすべてチェックします。他紙・他誌に載っている直近の社長インタビューはすべて読み、社長が本を出したのなら、そちらにも目を通す。そして、どんなことを聞くか考えます。 それで基本的にはインタビューで、「まだ世に出ていない事実・コメント」を引き出します。そうでなければ、新たにインタビューする価値がないからです。予定調和をよしとするパターンもなくはないですが、基本的に読者から、「この記事の内容、〇〇〇〇新報に出てたやつと一緒じゃん」と思われるようではちょっと……という感じです。インタビュイーの貴重な時間を浪費させてしまうことにもなります。 広報担当からインタビューライターへのトス・アップ そんなことが起こらないように準備するわけですが、窓口となる広報担当者さんから、素晴らしいトス・アップを受けることがあります。 例えば、インタビューに先立ち質問票(質問を列挙したリスト)を先方に送ると、広報担当者さんがそれをザッと見て、「この話題はわりとメディアで取り上げられているので、サラッと聞くだけでいいかもしれません」「この話題は掘り下げていただくと面白いかもしれません」などと、助言をくれることがあります。まぁ、こちらの準備不足を補ってくれているとも言えますし、社長に無駄な時間を使わせない配慮ともいえるかもしれません。あとは、その会社なりの狙い・思惑もあります。 ともかく、自分はオウンドメディアや広告制作の経験が長いこともあり、その手の納品制作物ではこのような先方とのコミュニケーションがとても大事だと感じています。こちらはこちらで当然ベストを尽くして挑むわけですが、先方の補助もいただけると、共創してより良いものができあがる。 ちなみにテレビのニュース記者や新聞記者など「報道」の場合、上に書いたことはほぼ関係なく、媒体として記者が聞くべきこと、たとえインタビュイーが答えたくないことでも、記者は聞こうとします。 それで、インタビューが終わって帰り際のエレベーターホールで――。広報担当者さんが「今日の〇〇についての社長の話は、私も初めて聞きました!」などと喜んだ表情で言ってくださることがあります。 インタビューライターとしてはちょっとうれしいのですが、大体お世辞なので、表向きは感謝を示しつつ、心の中は平静を保つようにしましょうw 自戒を込めて。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • プロインタビュアーがPlaud NotePinを手放した理由

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar 自動文字起こし・AIボイスレコーダーの「Plaud Note」。アメリカ発の製品で、日本国内では2023年10月頃から発売されました。私が使い始めたのは2024年末。この頃から一気に国内で広まった印象があります。 その特長は何より、文字起こし精度の高さにあります。私は2024年末まで文字起こしアプリ「Notta」を使っていましたが、当時、あまりに精度が違うと感じてPlaud Noteに乗り換えました。現在は両者ともに高精度ですが、話者の識別においてはPlaud Noteに軍配が上がると感じています。 話者を識別するって結構大事です。インタビュー現場でインタビュアーは自分1人でも、インタビュイー(答えてくれる人)が3~4人いることも普通にあります。それに加えて広報担当者さんが時折、話したりもする。1つのインタビューで合計5~6人が話すこともありうるわけです。誰が何を話したか、なるべく高精度で判別してくれるのはありがたいことです。 “専用”の録音デバイスを使うところもPlaud Noteの特長。簡単操作で録音ができ、スマホに専用アプリを入れておけばBluetoothで連携して、音声ファイルを自動でクラウドにアップしてくれます。この操作性も素晴らしい。別に、「ICレコーダーをPCに差す」ことが面倒なわけではないのですが、Plaud Noteの操作性に慣れてしまうと……。あと、文字起こしと同時に、要約や、マインドマップを作ってくれるところもいいですね。 Plaud Noteが広まったなぁ感じたのは、自分の周りにいる“ライター以外の人たち”が使い始めたからです。お医者さんだったり皆、経営者の方たちでした。会議などの文字起こしのために使っていたのだと思います。 プロインタビュアーは信頼できる道具を使う Plaud Noteは専用端末が必要なワケですが、自分が2024年末に最初に購入したのは「Plaud NotePin」でした。カプセルのような形をした長径4㎝程度のデバイスで、操作箇所は1カ所のみ(本体中央部を押すだけ)、表示部分も1カ所のみ(小さな穴にランプが灯るだけ)。 このシンプルなデザイン・操作性は思い切りがいいなと思いました。強力なマグネットで本体とくっつくクリップのような付属品があり、端末をネクタイピンのように“身につける”ことができるのもいいなと思いました。 1年間、大活躍したPlaud NotePinですが、ちょっとだけ不満もありました。それは――。 いつどこでインタビューが始まってもいいように、Plaud NotePinをカバン(リュックのポケット)に入れておくのですが、いざ、取り出すとランプがついている。つまり、いつのまにか通電していることが多々あったのです。別にこの製品が悪いわけでも、壊れていたわけでもなく、ただ私のモノの扱い方が雑だったからなのですが。 ともかく通電しっぱなしとなると、インタビュー中に電池が途切れないか心配になっちゃうわけですね。だから予備として持っていた、充電満タンのオリンパスのICレコーダーを使うことも、ちょくちょくありました。 そんなこんなで「Plaud NotePineがなー」とちょうど思い始めていた昨年末、新たな端末「Plaud Note Pro」が出たので、迷わず買いました。こちらもUIはシンプルですが、Plaud NotePinと異なり、クリック感がしっかりしたスイッチが付いており、これを押すと録音が始まり、もう一度押すと録音が終わる。電池残量も小さなディスプレイに表示される。これは安心です。カバンに雑に放り込んでも、通電することは今のところ起きていません。 改めて、「ちゃんと録音ができている」「ちゃんと電池が残っている」と確認ができる、その安心感、信頼感がほしかったんだなぁと思います。仕事道具ですからね。端末価格が3万800円とそれなりにしますが、本当に良い買い物をしたと思っています。 録音デバイスの話は他にもあるんですが――。またの機会にお話したいと思います。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • インタビューライターはなぜスマホをICレコーダー代わりに使わないのか

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日まで★モニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar インタビューライターにとって、なくてはならない道具――。いくつかありますが、録音デバイスはその一つです。生成AIの性能が高まり、音声データから精度の高い文字起こしができるようになった今、その重要性は高まっていると言っていいでしょう。 録音デバイスといえば従来はもっぱら、ICレコーダーのことでした。もっと昔はテープレコーダーですね。昔も今もオリンパスの製品が売れている印象があります。最近は、特定の生成AI文字起こしサービスにひもづいた専用デバイスもあります。 一方、スマホに文字起こし専用アプリを入れて、録音しながら同時に文字起こしをする方法もあります。AI音声認識プラットフォーム「Notta」はこの方法が可能です。ようするにスマホがあれば、ICレコーダーはなくても足りてしまうわけです。 または、スマホの録音アプリをICレコーダー代わりに使い、録音データをNottaまたは生成AIに食わせる方法もあります。 しかし、インタビューライターはスマホをICレコーダー代わりに使わない。なぜか――。 ●途中で電源が切れるのがこわい(日常、通話などでも使うので) ●インタビュー中に着信音が鳴らないよう機内モードにするのが煩わしい ●音声ファイルをPCやクラウドに送るまでの“動線”が自己責任…… 色々ありそうですが、一番は次の理由なのではないでしょうか。 ●インタビュイーの目の前にスマホを置くのは失礼な気がする ICレコーダーは仕事道具、スマホは個人的道具 インタビュイーの目の前に、録音のための専用デバイス(ICレコーダーや専用端末)を置くのと、スマホを置くのとでは、相手が受ける印象が変わると思うんです。はっきり言うとスマホの場合、相手は「気分が悪い」のではないかと。なぜなら「スマホ」なので。 例えば大事な人とハレの日の外食に行ったとき、テーブルの上にスマホを置くでしょうか? そういうことだと思うんです。 ちょっと理屈っぽい話になりましたが――。そこで思い出すのが映画『トップガン マーヴェリック』です。映画の序盤。米海軍の精鋭パイロット養成学校「トップガン」に戻ったマーヴェリック(トム・クルーズ)が、兵士たちが集うバーのカウンターでビールを飲んでいると、店のオーナーでかつての恋人、ペニー(ジェニファー・コネリー)がやってきます。2人が出会うのは別れてから3年ぶり。 そのバーはとてもカジュアルなお店なのですが、野暮で失礼な客には厳しく、「女性と海軍を軽蔑したり、カウンターにスマホを置いたりするヤツは、全員に酒をおごらなければならない」という決まりがあります。しかしそうとは知らず、ふと、カウンターにスマホを置いてしまったマーヴェリックは、全員にビールをおごる羽目になる。そんなシーンがあるんです。 インタビューも、そういうことだと思うのです。相手に敬意をもつ、それが大事だと。 まぁ、このシーンの場合、ペニーがマーヴェリックに「もうデートはお断りよ」と言ったのに対し、マーヴェリックが「今もきれいだ」などと軽口を叩いたため、それをたしなめられた感じもあるのですが……。 蛇足になりますが、この場面で店内のジューク・ボックスからデヴィッド・ボウイの「Let’s dance」が流れ、のちのち展開していくペニーとマーヴェリックの恋物語を予感させる場面にもなっています。 このシーンは映画の開始22分辺りから始まります。自分はこの映画を映画館で2回、 Amazonプライム・ビデオ で50回くらい見ました。リーダーシップとは何かを教えてくれる、大好きな映画です。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日まで★モニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • インタビューライターは、自分が「なるほど」と答える回数をカウントしている

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar インタビューをしているとき、相手の回答を聞いて「なるほど」「分かります」と答えるのは少し気を付けた方がいいです。簡単にいうと、「おっしゃっていることは私も知っていますよ」と、やや上から目線な印象を相手に与える可能性があるから。 相手は“とっておきの誰も知らない話”をしてくれたのかもしれません。なのにそんな受け答えをすると相手の気勢をそいで、その後、話が弾まなくなる可能性があります。「そうなんですね!」「興味深いお話ですね」など、ふさわしい答え方はほかにもいっぱいあるはずです――。 という話をインタビュー講座でもしているのですが、「なるほど」は自分も結構、使ってしまうんですよね。便利な言葉というか。この言葉にはもちろん良い面もあり、相手の話を聞いて「思わず膝を打つほど驚いた」というニュアンスが確かにあるわけです。 で、果たしてインタビュアーとして「なるほど」という受け答えはアリかナシか……。 などと若干迷っていたら、インタビュー講座の受講者さんから面白いエピソードを聞きました。YouTube番組『令和の虎』で、ある時、起業家が提案したアイデアが審査員(虎)たちからボコボコにされていた。その起業家は反論もできず、ただ審査員たちの言うことを聞いて「なるほど」「なるほど」「なるほど」と返していた。そのうち一人の審査員から「あなたね、『なるほど』って言わない方がいいよ」と怒られたというのです。 インタビューライターは食レポ芸人? なんだかそのときの映像が頭に浮かぶような気がします。これまた例え話ですが、テレビ番組で芸能人が「食レポ」をするとき、もし、口に入れた瞬間「おいしい!」と言ったら「うそ~!」と思いますよね。お料理を口に運び、噛みしめ、味わい、その刺激が脳に届き、その時の感覚を表す言葉を選び、口から言葉を発する……。0.1秒? 0.2秒? いや、もっとかかるでしょう! と誰もが思うわけです。 つまり、ぜんぜん感じていないし、自分の中で“咀嚼”していないし、考えてもいない食レポ。だから、そんな食レポをする芸能人はまずいません。 話を戻すと「なるほど」を連発することで、インタビュアーが感じていない・咀嚼していない・考えてもいないと相手に伝わる可能性が大いにあります。あくまでインタビュイーとの関係性によりますが、1・2回言うのはOKだとしても、連発は避けたほうが良さそうです。 まぁ、そういう自分は受講者さんから、この『令和の虎』のエピソードを聞いた時、「なるほど!!!」と言ってしまったのですが。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • インタビューライターが仕事でまず使わない文房具

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar 子どもの頃、日記を付けては挫折……を繰り返してきた私ですが、今日ようやく生れて初めて、一年間毎日欠かさず日記を書き続けることができました。日記といっても朝、“昨日あったよかったこと”を3つ~5つ、箇条書きで書き留める程度のものなんですが。 始めたのには理由があります。世界的なロックバンド「コールドプレイ」のボーカル、クリス・マーティンがメンタルヘルスを保つために「フリーフォーム・ライティング」というものを行っているとネットで読んだからです。 フリーフォーム・ライティングとは、自身の心にある思いなどを書き留め、その紙を燃やすか捨てるか、するものだそうです。心にたまったものを外に出し、消していくイメージでしょうか。大人気バンドのフロントマンということで、精神的に背負うものも大きくストレスに悩まされていたのかもしれません。 自分は世界的スターではありませんがw、やはり精神を安定させるために何かやりたいと思っていたところこの情報をネットで知り、まぁ、大好きなクリス・マーティンを真似するようなかたちで、箇条書きの日記を書き始めたわけです。 文房具に触れるオーガニックな時間 日記の精神面への効果は間違いなくあり、それについては書くまでもないでしょうが、1つだけ――。自分は毎朝、日記を“紙と万年筆”で書いているんです。 スマホやPCそしてボールペンを使わないところがミソです。これらは日中仕事でずっと使い続けるので、「仕事人としての鎧」を着るまで触れないわけです。仕事を始めるまでの短時間に紙と万年筆でサッと書く。この「オーガニックな時間」をもつことが、自分の場合、精神衛生を保つのに大いに役立っている気がします。 ボールペンは完全に仕事道具であるのに対し、万年筆をインタビューで使うことはまずありません。自分の場合、インタビューでは相手と「おしゃべり」することを優先するのですが、キャップを開けたままにしておくとペン先が乾いて書けなくなってしまうからです。 文房具の話は尽きませんね。話が横道にそれました。 仕事で文章を書くのはときにきついと感じることもありますが、精神を保つために日記を書くのはきつくはない。文章を書くって面白いです。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

  • 無頼派作家が愛した百円ちょっとのボールペン

    ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar タイトルを見てピンときた人もいるかもしれません。無頼派作家とは故・伊集院静さん、百円ちょっとのボールペンとは三菱鉛筆ジェットストリームのことです。ジェットストリームは安いところでは百数十円で買えるようです。 雑誌のインタビューで伊集院氏が答えていましたが、小説・エッセイを書く際は、もっぱらジェットストリームを使っていたとのことです。ちなみに10~15年ほど前、三菱鉛筆株式会社の前社長(現会長)の数原英一郎氏にインタビューしたとき、その話題を出すと、「伊集院先生にはお使いいただいています」と話しておられました。念のため補足ですが数原氏に私がインタビューした時、ジェットストリームを使ってノートをとりました(パイロットのフリクションとかではなくw)。 ペン先で“ダマ”にならない滑らかなインクを使ったボールペンとして一世を風靡し、他の文房具メーカーが追随して類似商品を出したと記憶しています。自分は文房具は“浮気”して色々試してみるのですが、なぜかジェットストリームだけは手放せません。それはやはり、自分が伊集院静さんの大ファンだからということも関係していると思います。「あの人も使っているペンだから」です。ちなみに麻雀が出てくる作品、特に『ごろごろ』という小説が好きです。 伊集院静氏と直接お会いしたことはないのですが、ご縁がありました。昔いた月刊誌の編集部で連載をお願いしていたのです。2000年代のことです。 大体、原稿締め切り日の真夜中25時あたりに突然FAXがカタカタカタ……と鳴り、紙が吐き出されてきます。原稿用紙に伊集院氏の手でつづられた玉稿(お原稿)です。FAXで届くので、いわば原稿用紙のコピーなのですが――。紙につづられたお原稿は、手のぬくもりにあふれていました。伊集院氏の場合、艶めかしさすら感じられました。もちろん良い意味で。 しかし――。 連載を担当する先輩編集者は、そこからお原稿のテキスト化に取り掛かるわけです。で、伊集院静氏の字はとてものびのびとしておられ……。「おい、中島。この字なんて読むと思う?」。真夜中にそんな“解読作業”が始まります。 でも今思えば、あの字、あの文章を誰よりも早く、FAX用紙を握りしめながら読むことができたのは、とても幸せでした。伊集院静氏にも先輩編集者にも感謝です。 のびのびと書かれたあの字は、ジェットストリームで書かれたものなのかもしれません。伊集院静氏は、特に書き口が滑らかな0.7㎜と1.0㎜を愛用したそうです。 ★★★「インタビュー講座」2026年2月14日までモニター価格1万1000円で受付中★★★ https://www.beatandwrite.com/intarview-seminar

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