「食」を通じて心身と自然とを同期する
- 中島洋一(株式会社ビートアンドライト代表)
- 2022年7月22日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年9月25日
ダイエットとか、お酒を控えるとか――。実際に「やろう!」と思っても、なかなかやり遂げるのは難しいですよね。
『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』の著者ベンジャミン・ハーディは本の中で次のように言っています。
意志力で自分を変えようとするのは難しい。人間は「環境」の産物であり、「自分」と「自分の周りの環境」を分けて考えることはできない。ゆえに自分を変えようとするなら、自分の周りの環境を変える必要があると。
例えば、「ついついジャンクフードを食べてしまう」「家に帰ってなんとなくテレビをつけてしまう」……そのような習慣をやめたいなら、「ジャンクフード店に近づかない」または「ジャンクフードが好きな友人と距離を置く」、テレビについては「コンセントを外しておく」「いっそのこと捨ててしまう」といった具合。環境を変えればやめることができるぞと。
似たようなことは、行動科学とか他のセルフマネジメント系ビジネス書にも書いてあるんですが。「自分を取り巻く環境を変える」――。著者のベンジャミン・ハーディはこれを「環境にアウトソースする」と表現しています。「アウトソースする」って、うまい言い方だなと思います。なんだかラクにできそうなので。
9月の始めに柿を食べた時、この本のことを思い出しました。
食べた瞬間「カラダが秋になった」感じがしたんです。季節のものを食べると、そういう感覚になることがよくあります。「カラダと自然が同期する」というか。
春だとタラの芽、フキノトウ、春キャベツ。初夏の新ショウガ、真夏のズッキーニやスイカ、関西出張でいただく鱧の湯引き。秋冬なら、お鍋でいただく白菜・大根、魚はキンメダイやクエなど、季節のものを食べた時。
平たく言うと「季節を感じる」っていうことなんですけど。普段、自然と離れた場所で生活していると、なかなか季節を感じることがない。でも、海山川で育ったものをいただくことで、食を通じて季節を感じることができる。そうすると気分が良くなるし、体調が良くなる感じもする。
これは、「おいしい」と味覚で感じることと同じくらい、大事なことだと思うんです。本来、季節という環境変化に応じて、人の心身は変わるんじゃないか。季節感に乏しい生活をしていても、心身を季節に合わせて調整していく必要があるんじゃないかと思います(←完全な主観)。
これって本書のメッセージ「人間は『環境』の産物である」「自分を変えるためには環境を変えよ」と似ています。
つまり、季節が感じられない現代人には「季節が変わります」とカラダに伝えるためのトリガーが必要だぞと。そのために、季節ごとに意識的に食べ物を変えていくのがいいんじゃないかなと。
「美食家になろう」というのでは全然なく、心身のマネジメントのためにやる。
というわけで、今日も夜のビールと食事を愉しみに仕事をしてまいりたいと思います。ダイエットやお酒を減らすこととは、真逆の話になってしまいました。
ちなみに自分の体重が90kgに届きそうで、若干そこは心配ですがw。まぁ、自分は北海道出身なので、冬眠前のヒグマのようにこれはこれで「カラダと自然が同期している」ということにしたいと思います。

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