とりあえず「Yes, we can」?
- 中島洋一(株式会社ビートアンドライト代表)

- 2023年11月6日
- 読了時間: 3分

今どき、思わず声を潜めて「こっそり」言ってしまいますが、私は英会話ができません。
せいぜい、海外のホテルでチェックイン/チェックアウトの手続きをしたり、レストランでメニューに書かれた料理がどんなものかカタコトで聞いてなんとか理解する程度(で、料理が出てくると、思っていたのと違ったりする)。
大学受験の時、代ゼミの全国模試で英語の偏差値88だったのですが、まったく関係ありませんでしたw
でも世界の人たちと話をしたいので地味に勉強しています。
今取り掛かっているのが(というか、長年読み終えられずにいるのが)『オバマ傑作演説集』という音源CD付き書籍です。有名な「Yes, we can!」をはじめ、前向きな英語表現ばかり。読んでいる・聴いているだけで気分が上がります。
オバマ元大統領の演説で強く感じるのは「人々を巻き込む力」です。
とにかく「we」とか「our」が多い。「”私たち”はできるんです!」とか「”私たち”が抱えている課題は~」とか。聞いている人は皆、いつの間にか「自分ごと」として聞き入ってしまいます。米国大統領の演説ってそういうものなのでしょうか?
対して、日本の総理大臣の演説・談話はそうではないように思います。「政府としては」「国民の皆さまにおかれましては」「与党は」「野党は」のように語られる。意図せずとも「対立する人」をつくる話し方となり、たくさんの人を巻き込みにくい印象があります。
それこそ「Yes, we can!」で有名な、オバマ元大統領の2008年ニューハンプシャー州予備選挙演説には次のようなくだりがあります。
「Whether we are rich or poor, black or white, Latino or Asian ~, we are ready to take this country in a fundamentally new direction.」
(富める人も貧しい人も、黒人も白人も、ヒスパニック系もアジア系も~この国を根本的に新しい方向に作り替える覚悟ができているのです)
「Democrats, independents and Republicans who are tired of the division and distraction that has clouded Washington」
(民主党員、独立派、共和党の皆さん、ワシントンを覆ってきた対立と混乱に飽き飽きしています)
所得など関係なく、人種も政治思想をも超えて、聴衆を巻き込みます。
そして、すべての人を巻き込んだ演説の終盤――。
「このフレーズは独立文書にも書き込まれています――Yes, we can」
「このフレーズを、奴隷や奴隷制度反対者がつぶやきました――Yes, we can」
「過酷な荒野に挑み、西に向かって前進し続けた開拓者が唱えました――Yes, we can」
「労働組合を組織した人々、参政権獲得を目指した女性たち、新たなフロンティアとして月を選んだ大統領がよびかけました――Yes, we can」
「Yes, we can――私たちの繁栄の機会に」
「Yes, we can――この国を治すために」
「Yes, we can――この世界を再生するために」
同じ目標に向かう一つの「America」として、聴衆を”United”していきます。オバマ元大統領が話すたび、聴衆から大歓声が上がります。まるでロック・ミュージシャンのライブのようです。聴いていると、ちょっと感動してしまいます。
この教材で引き続き英語の勉強をしていきたいと思いますが、一つ心配ごともあります。
万が一、英語圏の会社と取引きすることがあって、先方から”難しい球”を投げられた時。
あんまりよく考えないまま、調子こいて「Yes, we can!」とか言ってしまいそうなので。
※2008年ニューハンプシャー州予備選挙演説はYouTubeで観ることもできます。
https://www.youtube.com/watch?v=Fe751kMBwms&t=96s




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