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木を「伐る」ことを決断したハウスメーカーの話

執筆者の写真: 中島洋一(株式会社ビートアンドライト代表)
中島洋一(株式会社ビートアンドライト代表)
10月8日
読了時間: 3分
木を「伐る」と決断したハウスメーカー

以前、ある住宅メーカーのオウンドメディアのお手伝いをした時、記事の表記について独自のこだわりを持っておられ、思わず唸ってしまいました。


その住宅メーカーは建材として国産の木材を使います。その木材をつくるため全国各地に植林地・森林を所有しており、木を育てるところから取り組んでいる。


同社のオウンドメディアの記事中には、"木を伐採する"という意味で「きる」という表現が出てくるのですが、その際、漢字を「木を切る」ではなく、必ず「木を伐る」と統一表記しているのです。


文字は哲学を表す


実は「きる」という漢字は色々あります、「切る」「伐る」「斬る」「剪る」……。


新聞記事ではこれらをすべて「切る」に統一することが多いです。常用漢字に「きる」は、「切る」しかないので。「より多くの人にとって読みやすいように」という判断からこのようにしているわけです。


しかしこの住宅メーカーは、あえて「伐る」という漢字を使っている。これは読み手に、静かで強烈なニュアンスを与えます。


里山に人が入り、手塩にかけて育てた木。それを活かすために命をいただくというような。木や森に対する深い敬意が感じられます。


このメーカーがつくる住宅には、そんな貴重な木材が使われている、ということが伝わってきます。


単なる漢字の違いかもしれません。しかしそこには、自社の事業や木という資源に対する強い哲学が流れている。この細部への徹底したこだわりと愛着に、感銘を受けました。


表記の統一は、企業姿勢のあらわれ


オウンドメディアを制作・運営していると、忙しさのあまり「漢字を開くか閉じるか」「どの表記に揃えるか」というルール作りが後回しになりがちです。


「さまざま/様々」「こども/子ども/子供」など、どれを使っても意味は同じですが、記事によって表記がバラバラだと、読者は無意識のうちに小さな引っかかり(ノイズ)を感じ、文章への集中力を削がれてしまいます。


例えば子育て用品を扱う企業が、HPやカタログ、チラシなどで「こども」「子ども」「子供」と表記をバラバラにしていたら、皆さんはその企業にどんな印象をもつでしょう? 意図があって書き分けているのならともかく……。


逆に、自社の哲学に基づいた表記がすみずみまで徹底されているメディアは、読む人に圧倒的な安心感とプロとしての信頼感を与えます。表記を揃えることは、単なる校正作業ではなく、企業の姿勢を示す大切なブランディングなんですね。


株式会社ビートアンドライトの「インタビュー講座」では、インタビューでの聞き方はもちろん、読者の心に届く文章に仕上げるための言葉選びや表記の考え方についてもお伝えしています。細部にまで想いが宿る、確かな発信を一緒に目指してみませんか?


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